5.関節腔洗浄療法
◆ 顎への治療 ◆
関節腔洗浄療法:手術
「かんせつくうせんじょうりょうほう」と読みます。
顎関節は、関節包というものに包まれており、その関節包の中を関節腔と言います。
関節腔は、関節のためのお部屋だと思っていただいてもいいでしょう。
この関節包の中は、関節液という油みたいのが常時存在しており、これが顎を滑らかに動かす潤滑剤の働きをしているのです。
関節包の中の関節液は、新しい関節液が出されるとともに、古い関節液は自然と吸収さるというようにいつも循環されています。
この循環されていつもきれいな状態であるはずの顎関節内の関節液が、何らかの原因により循環がうまくいかず、古い関節液が老廃物として残っている場合に顎関節症になるという説もあります。
関節腔洗浄療法とは、この古い関節液を関節包に生理食塩水を入れたり出したりを数回行うことで、関節包の中を洗浄する方法です。
また、顎関節の関節内が陰圧(吸盤のようにくっついている)になっている場合などでは、陰圧の解除が出来ると言われています。
また、顎関節が癒着(ゆちゃく・くっ付いていること)を起こしている場合などは、剥離(はがすこと)出来る場合もあります。
一種の手術ですので侵害性はありますが、生理食塩水を入れたり出したりするのは注射針で行うので、切り開いて行う手術とは違い、侵害性も最小限で済みます。