3.整体・マッサージ等
◆ 顎への治療 ◆
整体・マッサージ等:関節操作
顎関節症の治療法には整体やマッサージもあります。
整体は、顎の関節のずれを治したり、咀嚼筋(ソシャクキン・噛む筋肉のこと)の調整をしたりします。
また、顎関節の中にある関節円板の矯正、顎が開くときや閉じるときの顎の軌道の修正などの治療も行います。
一般的には、強くバキバキするイメージのある整体ですが、通常の顎関節症の整体は、バキバキさせるような治療を行うことはありません。
何故なら、顎関節は他の関節と違い、筋肉や靭帯などでぶら下がっている構造で出来ているため、軟部組織(筋肉・靭帯・関節包など)の調整がとても重要となるからです。
そのため、骨そのものをバキバキするような矯正法は顎関節症には適さないのです。
バキバキと行う強い整体ではなく、軟部組織の調整をしている限りは、マウスピースと同様に侵害のない治療法です。通常はきちんとした整体を行えば顎関節症が悪化することはありません。しかし、治るかどうかは先生の技術の高さによるところが多いのです。
治療技術が高い先生ですと、顎関節や関節円板の矯正はもとより、顎関節の陰圧(関節が吸盤見たいにくっついていること)の解除や癒着(くっついていること)の剥離(はがすこと)、なども行えます。
また、顎関節症は顎だけの問題だけでは済まず、首や肩、そして頭蓋骨・背骨・骨盤などの問題も関わってきます。
そのため、顎関節症は顎のゆがみだけではなく、全身のゆがみを整えなければならない場合も多いいのです。
薬は基本的に誰が処方してもその作用は大して変わりませんが、人の手で行う整体のような治療は、個人の技術力によるものが多いです。
そのため「●●先生の整体治療は顎関節症にいい」とは言えますが、一概に「顎関節症には整体がいい」とは言い切れないところが現実です。
顎関節症に対しての整体は、体への負担は手術よりはるかに少ないですが、手術と同じように技術や知識のあるなしが治療結果の決め手となります。