顎関節症の原因③:精神的ストレスのチェック
顎関節症の原因にはストレスがあります。
ここでいうストレスは精神的ストレスのことを指し、ぶつけるなどの事故は含みません。(外的なストレスについては『外傷・ぶつけるなどの行為』のページへ)
実はあまり知られていませんが、精神的ストレスと顎関節症は非常に関わりが深いです。私の経験上、顎の症状がある方の多くが心の問題を持ち合わせています。
例えば、歯ぎしりや無意識的の食いしばりなども、原因をたどると精神的ストレスからきているものが多く、このことは様々な科学的な実験でも証明されています。
心が原因になることも
歯ぎしりや食いしばりは、精神的ストレスを受けることによっておこる負担を無意識に脳が発散させている行動です。これは脳を守るためでもあります。もし歯ぎしりをしなかったら脳の機能が低下してしまい、生命活動さえ十分にできなくなってしまうのです。
つまり、歯ぎしりは顎にはよくありませんが、脳には良いことなのです。
顎と脳ではどちらかというと脳の方が大切なので、顎が痛んでも脳を守るために歯ぎしりをしてしまいます。その結果色々と症状が出てしまうのですが…。
このように、精神的ストレスの過多は、噛みしめる筋肉の疲労や緊張をもたらします。そしてそれらは脳に負担をあたえます。すると脳は無意識に歯ぎしりなどを行いますので症状が色々と出てきてしまうのです。
そのため、心の問題も大きな原因となるのです。
実際に顎関節症の患者さんに、精神分析・性格検査・心理テストなどを行なった研究では、自律神経の乱れや情緒不安定などが多く認められたという結果があります。
性格的な傾向として、繊細・几帳面・完全主義・せっかち・我慢強いという傾向が見受けられます。このような性格的傾向の方は、そうでない方よりも不安、恐怖、緊張など多くのマイナスな感情を抱えてしまい、心身共に慢性的な疲労を抱えている傾向があります。
顎関節症の患者さんの多くは、不安感・抑うつ感があり、こういった不安・恐怖・抑うつは、ストレスに対して過敏になったり抵抗力を弱めてしまったりするのです。
また、精神安定剤で顎関節症が改善するという報告も多くあります。
一方、精神安定剤や抗うつ剤を服用後に何となく顎に違和感が出たという報告も少なからずあります。
このことから、顎関節症を薬で治そうとするのはまだ難しそうですね。
精神的なストレスチェック
多くの物事に対して完全にやり切ろうと思ってしまう。
多くの物事に対して几帳面で細かいことが気になる。
人が感じないものを感じることができる。繊細である。
私が我慢して物事が収まるなら我慢してしまおうと思う傾向がある。
何事にも一生懸命に取り組む方だ。
他人が自分のことをもっと分かってくれたらと思うことが多い。
物事に対して、非常にこだわりを持っている。
嫌いな人が近くにおり、遠ざけられない状態である。
自分の思いや気持ちを押さえ込んでしまうことが多い。
※3つ以上当てはまると、精神的ストレスが多くかかっていると思われます。
ご自身をチェックしてみましょう