1.首の伸展と屈曲
首が屈曲(顔が下を向く)していると、顎関節は物を噛む時に前の歯で噛むことが多くなります。何故なら首が屈曲すると、顎の骨の前の部分が上がるようにずれるからです。
また、首を伸展(顔が上を向く)させると、顎関節は物を噛む時に奥の歯で噛むことを優先させます。何故なら首が伸展すると、顎の骨の後ろの部分が上がるようにずれるからです。
試しに首を屈曲させてからゆっくりと歯を開け閉めしてみてください。
上の歯と下の歯が接する瞬間、最初に当たる歯は奥の歯ではなく前の歯になります。(奥歯が最初に当たった方は首にゆがみがある可能性があります。)
逆に首を伸展させてからゆっくりと歯を開け閉めしてみてください。
上の歯と下の歯が接する瞬間、最初に当たる歯は前の歯ではなく奥の歯になります。(前の歯が最初に当たった方は首にゆがみがある可能性があります。)
このことから、前歯で噛むことが多いと首に屈曲する力が加わります。
奥歯で噛むことが多いと首に伸展する力が加わります。
ところでここで問題です。『右の前の歯と左の奥の歯で噛むことが多いと、首にはどのような力が加わるでしょう。』
答えは、首は左に回旋します。何故なら、前の歯が当たる右側は、屈曲しようとしますので、首の右側は前に出てきます。
そして奥歯が当たる左側は、伸展しようとしますので、首の左側は後ろに引っ込もうとします。すると右は前に出て左が後ろに行くため、首の骨は左に回旋するのです。
首の解剖学のまとめ