顎関節症の原因④:外傷・ぶつけるなどの行為
顎関節症になる原因の一つに外傷があります。
外傷とは、ぶつけたりするなどして、外側から顎に対して急激に大きな力がかかることを言います。たとえば、お母さんが子供を抱っこしている時に、子供が暴れて子供の頭が自分の顎にぶつかった場合や、交通事故・ボクシングで殴られる・ボールがぶつかるなどの場合が考えられます。
顎は、頭蓋骨にぶら下がっているブランコのような構造になっており、食いしばっていない限り、外からの力に弱く痛めやすいのです。
特に真横からの力や真正面からの力には非常に弱く、痛みが長期にわたることがあります。
急激な力によって顎が移動すると、顎関節の中にある関節円板がずれたり、軟骨を痛めたりします。そのため、ぶつけた直後は顎を開けにくかったり、開けようとすると痛みが出たりする場合があります。
また、関節を安定させる働きがある靭帯や、口を開けたり締めたりする筋肉が急激に伸ばされることで顎の痛みや不快感が起こることもあります。
関節円盤・関節・靭帯は、血液の流れが少なく一度痛めると回復に時間がかかります。その間、痛い方をかばって使っていると、顎関節症が酷くなることがあります。
筋肉は血液の流れが豊富であり、痛めても回復が早いです。しかし、顎を動かすのは筋肉ですので、筋肉を痛めていると「片方で噛む」など、顎をバランス悪く使ってしまい、これが原因で症状が悪化することもあります。
外傷があった時は、一度は整形外科でレントゲンの検査をすることをお勧めします。しかし、骨に異常がなくても先ほどお伝えした、靭帯・筋肉・関節円盤はレントゲンに写らないため、正常かどうかはこの検査だけでは分かりません。
外傷の時の対策
痛い時に無理に噛むと上記のように悪化することが多いため、顎をぶつけるようなことがあった時は、やわらかめの食べ物を選ぶといいでしょう。
また、ぶつけた直後は「炎症」が起きているため、出来るだけ早く冷やすことで、その後の治りが早くなります。
炎症の一番の対策は氷嚢で冷やすことです。よく使われる冷シップなどは、あまり冷やすことができずに炎症を抑える効果が期待できません。
また、ボクシングやコンタクト系のスポーツを行う場合は、必ずマウスピースを装着するようにしましょう。